会長挨拶

大和市剣道連盟会長

戸塚義孝

 

 11月霜月になりました。本来なら3日文化の日は剣道の最大のイベントである全日本剣道選手権大会が行われる予定でしたが、ここでも新型コロナ感染症の影響を受けて延期になり、大会は3月14日に全日本剣道選手権大会と全日本女子剣道選手権大会が同時開催されることになりました。どの大会も体育館などの入場制限や選手役員などの健康を危惧して中止や延期になっていますが、審査関係では予定通り実施されています。大和市では先月指導者の研修会を実施しました。35名の参加でしたが、講師の飛知和先生にも大変お世話になり、充実した成果を得られました。また、渋谷剣友会が本年度少年剣道教育奨励賞を受賞されました。おめでとうございます。合同稽古会も予定通り実施しております。最大の感染予防を心掛け、新しい生活様式を鑑みながら普及と発展をさせていきたいと思います。新型コロナ感染症の影響はまだまだ続いています。引き続き皆様におかれましては、安全とご健康にはくれぐれもご注意ください。頑張っていきましょう。

 

 さて、今回は日本剣道形について調べてみました。剣道の修行には欠かせない形の稽古はなぜ大切なのか考えてみましょう。是非参考にしてください。

 

「日本剣道形はなぜ大切なのか」

 

 「日本剣道形は日本および日本人の精神思想、人生観の表現であり、剣道形を覚えるということは、日本の精神思想、人生観を次代に継承するという願いが込められている」と言われています。したがって、原本に忠実正確に稽古しなければならないものです。

 

 日本剣道形制定委員であった※中山博道先生は、「武道の主眼とするところは、義・仁・勇の三つの意義にほかならぬ」と断言されているそうです。この3つこそが日本の建国の精神を象徴する三種の神器(鏡=正義・玉=慈悲仁愛・剣=大勇)にあらわれているもので、それを、剣道形「一本目」=正。「二本目」=仁。「三本目」=勇。に配して表現したものであるといわれています。

そして、剣道を中学校の正科に加えるに際し、将来の日本各般の指導的役割を担うことになろう中学生生徒の人間教育を主とする形であるという願いが込められているといわれています。剣道における思想的全体性は、佛教および儒教の理学によるところのものが極めて大きく、いわゆる和魂漢才といわれているものが、日本の地理的、地形的、地質的、気候的影響を受け、しかも徳川三百年という世界に類例のない鎖国によって熟成され形成したのですが、スポーツ化と日本的生活文化の経験が欠如しつつある状況が、日本的理解を困難にしているとまで※井上義彦先生がおっしゃっています。(剣道時代1997/4)

 

 「日本剣道形は、極意を最初に練習してしまいます。極意が基本で、基本が極意であるとさえいわれています。日本の学習方法にはこの手法が基本となっているようで、最初は真似から入るようです。習字の世界でも、師の書いた文字を一字一句間違えないように一生懸命なぞっていく。そうしていくうちに、ある一つの形のなかで自分を表現し、やがてぞれぞれの味がある風合いの字になっていくといわれているそうです。日本剣道形には剣道の全ての要素がこの形のなかに込められているといわれているのですから、基本を大事にするという点で指導する必要性があるといわれてきたのです。(剣道日本編集部)

 

 大正元年(1912)には剣道と言う言葉が使われた「大日本帝国剣道形(のち「日本剣道形」となる)」が制定された。流派を統合することにより日本刀による技と心を後世に継承すると共に、竹刀打ち剣道の普及による手の内の乱れや、刃筋を無視した打突を正した。竹刀はあくまでも日本刀の替りであるという考え方が生まれ、大正8年、西久保弘道は「武」本来の目的に適合した武道および剣道に名称を統一した。(全日本剣道連盟)

 

中山博道先生…1912年(明治45年)、剣道形制定委員(全国で25名)の一人に選ばれ、師の根岸信五郎(主査委員)と共に大日本帝国剣道形制定に尽力する。昭和初期の剣道界で高野佐三郎(中西派一刀流)と並ぶ権威を持ち、複数回の昭和天覧試合でも模範演武などをつとめている。

 

井上義彦先生...剣道範士。全国大会の審判・審判長、世界大会審判、外国に於ける講習会の講師、国内高段者講習会の講師を務める。外国人講習会に来日した外国人剣士に国際交流稽古会、日本伝統文化の紹介を行う。

 

 大和市剣道連盟 会長 戸塚義孝